路上駐車していた車にぶつけてしまった場合の過失割合について

停車している車に、後ろからぶつけてしまった場合の過失割合は、基本的にはぶつけた側が100%となりますが、駐車禁止区域などでの交通事故の場合には、ぶつけた側が100%の過失にならないケースもあるため、ご紹介したいと思います。

路上駐車している車両との事故

路上駐車している車にぶつけた事故では、おおきく2種類に分かれます。

(1)一般道路で、駐車した車とぶつかった場合の過失割合

(2)特殊な場所(高速道路・トンネルなどの停止禁止区域)で、駐車違反の車にぶつけた場合の過失割合

駐車と停車の意味と路上駐車が禁止されている場所

 

一般道路で駐車した車とぶつかった場合の過失割合

過失割合と調整項目について

相手が停車している車にぶつけた場合には、基本的にはぶつけた側の過失が100%になります。

 

しかし事故の状況によっては過失調整が認められることがあります。

主な過失調整としては次のものがあります。

  • 駐車禁止の道路
  • 猛吹雪や雨や霧などにより、視界が悪い場合
  • 夜間にハザートやライトなどをつけずに駐車していた場合
  • 道路への駐車の仕方の悪さ
  • 直前に急停車
  • 車検切れ・整備不良
  • バイクや自転車の交通弱者の調整

夜間に道路を駐車場代わりに利用して、ライトもつけずに路上駐車しているようなものは、大きな過失がついているように思われます。

以下に具体的にみていきます。

具体的事案について(判例)

横浜地裁 昭和48年7月16日判決(駐車車両に20%の過失)

故障した自動車を、駐停車禁止となっている交通量の多いバイパスの左車線上に停車させ、他車への誘導措置をとらなかった事が原因で後続車に追突された交通事故。

駐車車両に20%の過失を認めています。

 

東京地裁 昭和61年4月10日判決(駐車車両に65%の過失)

交差点の側端から5mの位置(駐車及び停車禁止区域にあたる部分)の駐車禁止の道路に、夜間にもかかわらずライトを点灯させずに駐車していた普通貨物自動車に、20km/h超の速度超過のあるバイクが追突し、運転手が死亡した事故がありました。

裁判所は、路上駐車した車両の所有者の過失を認め、所有者に自賠法3条但し書の免責を認めず、65%の過失割合を認めました。

※免責を認めていないので自賠責から保険金が支払われています。

 

千葉地裁 平成13年1月26日判決(駐車車両に65%の過失)

夜間、街灯がなく周囲が暗い片側1車線の駐車禁止となっている道路に、無灯火の大型トラックが駐車していて、このトラックに約10km/hの速度超過の原付バイクが衝突し、原付バイクの運転手が死亡した事故がありました。

裁判所は、駐車違反をしていたトラックの運転者に不法行為があったし、トラックの汚れ等の状況から、以前にも人身事故に至らなかった同様の事故が起こしていたことを考慮して、トラックの運転手に65%の過失を認めた判例。

 

ぶつからなくても過失が生じることがあります。

追突など駐車違反車両に物理的な接触がなくても、駐車車両があったことで他人の事故の原因となったような場合にも、駐車違反車両には事故の責任の一部が認められ過失がつきます。

具体的には、駐車車両が交差点の見通しを妨げたために、交差点内で出会い頭の衝突が発生した事故では、駐車車両に20%の過失割合が認められました。

また路駐車をかわそうとして事故を起こしたときに、10%の過失がついたケースもありました。

参考:違法な路上駐車をしている車を避けたら対向車線の車と正面衝突した場合の過失割合

 

 

特殊な場所(高速道路・トンネルなど)で、駐車違反の車にぶつけた場合の過失割合

停車及び駐車が禁止される場所は、車を止めることで他車を巻き込む可能性がとても大きいものになっています。

代表的な場所は、高速道路やトンネル内になります。

過失割合と調整項目について

同一車線上で停車している車に追突した場合には、高速道路やトンネルは止まってはいけない道路なので、停車した車両は、動いていなくても大きな過失が認められます。

【駐車車両 40:追突車両 60 】

高速道路で同一車線の追突事故があった場合の過失割合について

一般道路と同様に修正項目があり、以下の調整で最終的に過失割合が定まります。

  • 猛吹雪や雨や霧などにより、視界が悪い場合
  • 夜間にハザートやライトなどをつけずに駐車していた場合
  • 車検切れ・整備不良
  • バイクや自転車の交通弱者の調整
  • 速度超過の有無
  • 急ブレーキの有無
  • 道路の混雑状況

具体的事案について(判例)

大阪地裁 平成11年3月15日判決(駐車車両に75%の過失)

車のタイヤにチェーンを巻くために、高速道路のトンネル内の中央分離帯に車を駐車させて、後続車から追突された事故がありました。

追突した車の運転手は死亡しています。

裁判所は、トンネル内で停車の際に三角番を設置する等、後続車に対する安全措置を講じなかったとして、乗用車に75%の過失を認めました。

この事故では、緊急性がないのにトンネル内で停車していたことや、トンネル内の中央分離帯に車が駐車していることを後続車が予測するのは困難であるなど、少し珍しい理由もありました。

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