横断歩道上の歩行者をはねてしまった場合の加害者の責任について

横断歩道を横断している歩行者に車で衝突した場合には、加害者には3つの責任が問われます。

1.民事責任

治療費や慰謝料などの損害賠償請求になりますが、被害者に過失がある場合には過失相殺されることになります。

具体的には、車に80%、被害者に20%の過失がある場合に1,000万円の損害賠償額が確定したときは、加害者は自分の過失分である80%の800万円の請求をすることができます。

損害賠償額の算定基準について

損害賠償の種類について

2.刑事責任

相手を死傷させた場合には、過失割合に関係なく刑事上の責任が問われる可能性があります。

しかし飲酒運転や信号無視など悪質な事故でない場合で、被害者との和解が済んでいて反省が見られるようなときは、執行猶予がついたり、起訴猶予などで不起訴になり罪が問われないことも珍しくはありません。

微罪処分の内容と条件について

過失運転致死傷罪・・・7年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金

過失致死の中でも件数が最も多いのは自動車事故によるもので、以前は業務上過失致死罪に含まれていましたが、自動車事故や交通違反の罰則を強化するために、平成19年に刑法から自動車運転死傷行為処罰法として独立し、平成25年11月の「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」により「過失運転致死傷罪」と呼び名が変わりました。

また同じ自動車での事故であっても飲酒運転やスピード超過などによっては更に刑罰が重くなります。

危険運転致死傷罪・・・1年以上の有期懲役

飲酒運転や運転制御が難しくなるほどのスピード超過、赤信号をことさら無視した危険運転をした事により、自動車による事故を起こし、相手を死亡させた場合には、過失運転致死傷罪より、はるかに重い危険運転致死傷罪が適用されます。

有期懲役刑の上限は20年となりますが、他の罪が併合罪加重として適用される場合や再犯加重の場合などがある場合には、最長で30年の懲役となります(刑法第14条、同第47条)。
危険運転致死罪の場合は裁判員裁判での審理対象となることがある。

 

3.行政責任

人身事故を起こした場合には、加害者の免許に関する処分があります。具体的には運転免許の違反点数とそれに伴う免停や免許取消などです。

死亡事故 専ら車側の不注意 20点
専ら以外 13点
重傷事故(3ヶ月以上、後遺障害あり) 専ら車側の不注意 13点
専ら以外 9点
重傷事故(30日以上3ヶ月未満) 専ら車側の不注意 9点
専ら以外 6点
軽傷事故(15日以上30日未満) 専ら車側の不注意 6点
専ら以外 4点
軽傷事故(15日未満、建造物損壊事故) 専ら車側の不注意 3点
専ら以外 2点

 

補足関連記事

未成年者が起こした交通事故の本人と保護者の3つの責任について

自動車の整備不良や違法改造などの行政責任・刑事責任・違反点数・罰金などについて

交通事故の不起訴処分の種類と内容について

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA