交通事故の刑事裁判について

交通事故の「裁判」は民事裁判と刑事裁判との2種類があります。

民事裁判では損害賠償についての判決が下されるものになっていますが、刑事裁判は、加害者が「有罪か無罪か?」「有罪であればどんな刑罰を与えるのか?(懲役や罰金など)」を審理する裁判です。

交通事故を犯罪として裁き、罰を与えるのは刑事裁判になり、内容についてご紹介していきます。

刑事裁判について

刑事裁判とは?

公訴権(刑事事件で罪を犯した人を裁判にかける権利)を持っているのは検察官になり、これは交通事故においても同じです。

被害者であっても加害者を起訴することはできず、被害者にも重大な落ち度があるような場合には起訴されないこともあり、起訴されなければ加害者は刑事罰を受けません。

また起訴となった場合でも正式な裁判をするか、略式起訴にするかは担当となった検察官が決定します。

軽い交通事故の裁判であれば、第一回の公判で判決以外のすべての審理を終了させることが多く、事故発生から裁判の判決が出るまで3~4カ月という短期間で終了しますが、重大事件になると1年を超える裁判も珍しくはありません。

刑事告訴について

重大事故であれば被害者は特に何もしなくても加害者は起訴され、罪が問われますが、軽微な事故の場合には、起訴されない可能性も出てきます。

うまく示談が出来ていれば良いのですが、加害者の誠意のない対応や反省の色が見えないことに悔しい思いをされる被害者も多いです。

そんな場合には「刑事告訴」することで親告罪の罪も問うこともでき、警察官の微罪処分や起訴猶予処分に歯止めをかけることができ、不誠実な方に対して罪を問える可能性を高めることができます。

刑事裁判の判決に被害者は控訴(上告)はできない

刑事裁判は有罪判決となることが多いものの、その判決内容については、悪質な違反行為がない限り、罰金刑か執行猶予付きの禁錮もしくは懲役刑になることが多く、被害者は不当と感じることが少なくありません。

しかし裁判所の判決に不満であっても、刑事裁判では控訴または上告ができるのは被告人と検察だけです。

被害者は、検察側の検事に控訴(上告)を訴えることはできますが、”加害者の罪がさらに重くなるような確実な証拠”がない限り、有罪判決で勝訴した検事を説得するのは、かなり難しいものになります。

逆に被告人(加害者)が判決に不服がある場合には、控訴や上告などで、上級の裁判所で「裁判」を行うことができますが、判決がより重くなるということは期待できません。

主な罰則の内容について

「過失運転致死傷罪」

ほとんどの人身事故が裁かれる法律で、交通事故で被害者を死傷させた場合には7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科せられます。

以前は、刑法の「業務上過失致死罪(刑法211条)」として罪が問われていましたが、量刑が軽すぎるということで、刑罰の内容がより厳しく引き上げられた「自動車運転過失致死傷罪」ができました。(※業務上過失致死傷罪の刑罰は、5年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金刑)

その後、平成25年11月27日に「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」により、呼び名が変わりましたが、内容についてはほとんど違いはありません。

以前の規定では、「自動車」とあったものが過失運転致死傷罪については「自動車及び原動機付自転車」と改められましたが、以前から自動車には原動機付自転車も含められていましたので特に違いはありません。

「危険運転致死傷罪」

飲酒運転や信号無視、暴走行為などの悪質な運転による事故で被害者が死傷した場合は、1年以上20年以下の懲役が科せられ、最低でも懲役刑となります。

最低でも懲役刑となる重たい罰則が適用されます。

関連記事:危険運転致死傷罪の内容

「負傷者の救護義務違反」

ひき逃げ事故の場合に問われる罪で、量刑は10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

「事故報告義務違反」

交通事故後、警察に通報しなかった場合に問われる罪で、量刑は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA