交通事故の「刑事告訴」と「刑事告発」とは、どんなものなのか?

「刑事告訴」と「刑事告発」の内容と目的について

刑事告訴と刑事告発とは

「刑事告訴」と「刑事告発」とは、警察官や検察官などの捜査機関に対し、犯罪事実を申告し、加害者の処罰を求める意思表示のことです。

被害者らの意思表示を「刑事告訴」といい、交通事故の目撃者などの他の第三者の意思表示を「刑事告発」と使い分けています。

目的について

悪質な信号無視や暴走行為の交通事故の場合には、「重過失傷害罪」が成立し、被害者が告訴しなくても罪に問われますが、多くの過失傷害罪や器物損壊罪などの「親告罪」は、被害者の「告訴」がないと裁判を始めることができないことになります。

また、これらが行われることで、警察官の微罪処分や検察での起訴猶予に歯止めがかけることが期待できます。

刑事告発について

告訴権者について

交通事故で刑事告訴ができる方は、具体的には次の方になります。

(1)被害者

被害者と被害者の法定代理人が刑事告訴をすることができます。

また法定代理人(親権者や後見人)は、被害者の意思に関係なく告訴することができ、子供に代わって刑事告訴する事などが可能です。

被害者が死亡している場合には、被害者の配偶者や両親や子供などの直系親族、兄弟姉妹が代わりに告訴することができますが、被害者が生前に告訴を希望しないことを明確にしていたものについては告訴することはできません。また間接的に被害を受けた方も対象外となります。(刑訴法230条)(刑訴法231条1項)

(2)被害者の法定代理人が被疑者の場合

親が自分の子供を車ではねてしまった場合など、加害者が被害者の法定代理人である場合には、被害者の親族に告訴権が生じます。

ここでの被害者の親族は、「被害者の配偶者、四親等内血族、三親等内姻族」となります。(刑訴法232条)

(3)親告罪で告訴できる人物がいない場合

検察官は、告訴できる人がいない場合には、利害関係者の申し立てにより告訴できる人物を指定することができます。(刑訴法234条)

告訴と告発の違いについて

刑事告訴と刑事告発の違いは、親告罪の場合に”告訴”が訴訟条件となる点です。

つまり、親告罪は告訴権者の告訴が無い限り犯人を訴追できないため、両者は使い分けられています。

親告罪には、次の要件を満たす必要もあります。

  • 犯罪事実の書面又は口頭での申告があること
  • 犯人処罰の意思表示があること
  • 犯人を知った日から6カ月を経過していないこと

刑事告訴の取り下げは可能

刑事告訴が受理された後でも、起訴前であれば、加害者との示談の成立などにより取り下げる事は可能です。

しかし一度告訴を取り下げた場合には、後日再び告訴することはできなくなります。

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