交通事故の被害者参加制度について

交通事故の被害者参加制度とは?

加害者の犯罪の罪を確定させ、科すべき刑罰を決める刑事裁判では、公訴権は検察にしかありません。

そのため、被害者であっても刑事裁判では傍聴席で裁判の行方を見守る事しかできなかったのですが、2008年(平成20)年に導入された被害者参加制度により、一定の重大な事件について被害者も刑事裁判への参加が認められるようになりました。

この制度が導入されて以来、平成25年10月現在までの5年間に全体で4,390名が利用されたそうです。

交通事故の被害者参加制度とは?

刑事訴訟では検察しか起訴ができないなど、従来の裁判では被害者の感情や意思などが軽視されがちな問題がありました。

この問題を解決するために、被害者参加制度が導入され、交通事故では危険運転致死傷罪などで、被害者や法定代理人などが裁判に参加できるようになりました。

対象となる交通事故犯罪

  • 危険運転致死傷罪
  • 過失運転致死傷罪※
  • 業務上過失致死傷罪

※これまでは「自動車運転過失致死傷罪」と呼ばれていましたが、平成25年11月の「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」により「過失運転致死傷罪」と呼び名が変わりました。

参加できる方

  • 被害者
  • 法定代理人(被害者が未成年の場合には両親など)
  • 被害者が死亡した場合や心身に重大な故障がある場合には配偶者、直系親族、兄弟姉妹など

被害者参加人ができること

「裁判全体」

「証人の尋問」

  • 証人が情状について証言をしたとき、証人を尋問することができます。(刑訴法316条の36)

「被告人への質問」

  • 意見を述べるために必要な場合に被告人に質問をすることができます。(刑訴法316条の37)

「論告求刑後、最終弁論前」

  • 訴因の範囲内で事実又は法律の適用について意見を述べることができます。(刑訴法316条の38)

被害者参加制度の参加手続き

加害者が起訴された後に、被害者やご遺族などが、事件を担当する検察官に刑事裁判への参加申出をします。

申出を受けた検察官は、裁判所に通知し、裁判所が刑事裁判への参加を許可すると「被害者参加人」として刑事裁判へ参加が可能になります。

被害者参加制度の注意点

刑事裁判での結果が不服であったといしても、被害者には控訴権ありません。

権利であって、義務ではないので被害者参加制度を利用せずに、検事に委ねる事も可能です。

また「証人尋問」だけ行い、他の権利は行使しないというような「自分が行使したい権利」だけを行使することもできます。

検察官との綿密な話合いが必要となるため、被害者参加を利用する場合には、担当検事に早めに連絡をとる必要があります。

利用しやすくなった「被害者参加制度」

被害者利用制度を利用しやすくするために、平成25年12月に法律改正によって次の制度が利用できるようになりました。

被害者参加人に対する旅費等支給制度

被害者参加制度を利用して刑事裁判に出席された方は、日本司法支援センター(法テラス)から旅費、日当などが支給されます。

対象者

  • 被害者参加人として裁判に出席した方(傍聴席に座る方は対象外)

支給される費用

  • 裁判所までの交通費
  • 裁判に出席するための宿泊料(裁判所の所在地によって7,800円または8,700円)
  • 日当(裁判への出席に必要な日数に応じて1日当たり1,700円)

問い合わせ先

法務省刑事局刑事法制管理官室

03-3580-4111(代表)

受付時間:平日9:30~17:15

法テラス「被害者参加制度」

国選弁護制度

被害者参加人として適切かつ効果的に刑事裁判に参加いただくために弁護士による援助を受けられるようにし、裁判所が被害者参加弁護士を選定し、国がその費用を負担する制度(国選弁護制度)があります。

この制度の利用に当たって定められている被害者参加人の資力の要件が、緩和され、より多くの方にご利用いただけるようになりました。

参考文献:「政府広報オンライン」「wikibooks

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