横断禁止区域での歩行者と自動車の交通事故の過失割合について

横断禁止区域とは

歩行者が道路を横断することを禁止している場所のことです。

良く見ると『横断禁止』の標識の下に”矢印”が書かれた標識もセットになっていて、通常3種類の道路標識で、横断禁止区域を表示しています。

横断禁止区域については、右矢印(始まり)から左矢印(終わり)までの区間が「歩行者の横断禁止」区域になっています。

区域内については左右の矢印になっています。

 

 

横断禁止区域において交通事故にあった場合には、どうなる?

歩行者が横断を禁止されている場所で交通事故にあった場合は、歩行者側に過失が生じますが、それでも自動車側の過失の方が大きいことが多いです。

実際の判例では、次のように決着した判例があります。

横断禁止道路を横断した歩行者と自動車の事故の過失割合について判断について

大阪地裁 平成20年8月26日の判例

事故が発生したのは12月23日午前5時30分ころ、片側2車線の国道の歩行者横断禁止区域であった交通事故です。

裁判所は以下の状況を考慮し、歩行者の過失を30%、自動車の過失を70%としました。

  • 事故現場は最寄の横断歩道から約38.5m離れた場所(※基本過失割合 歩行者20:自動車80%)
  • 幹線道路であったこと(歩行者+10%)
  • 歩行者横断禁止区域だったこと(歩行者+5%)
  • 夜間であったこと(歩行者+5%)
  • 自動車が20~30km/h程度速度違反をしていたこと(自動車+10%)

※基本過失割合について

別冊判例タイムズ「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂4版」96ページでは、横断歩道ではない場所での歩行者と自動車の事故の基本過失割合を歩行者20%、自動車80%としています。

歩行者横断禁止区域であっても、歩行者側に一方的に過失が生じるものではなく、裁判ではあくまで基本過失割合からの修正として調整されていて、その修正はわずか5~10%程度であり、あまり重大な過失とは考えられてないようです。

交通事故では、自動車側は常に大きな責任を負う事になるので、自分が優先であっても細心の注意義務を払う必要はありそうです。

歩行者側の過失が大きくなった事故の判例

東京地裁 平成15年8月26日判例

平成8年12月6日午前8時45分ごろ、東京都の片側3車線の幹線道路で、横断禁止区域を横断していた女性とバイクが衝突した事故です。

女性は夫と2人で渋滞中の車両の縫うように横断していていましたが、夫がバイクの接近に気がつき立ち止まりましたが、妻がそのまま早歩きで道路を横断しようとして、バイクとぶつかりました。

裁判所は以下の点を考慮し、歩行者の過失を70%、自動車の過失を30%としました。

  • 事故のあった時間帯の現場は、単車専用車線になっていた。
  • バイクは制限速度を守っていた。
  • 歩行者横断禁止区域
  • 一緒にいた夫と同様に安全確認していれば、バイクが通過するのを待つことにより、容易に事故を回避することができた点
  • 渋滞の車両を縫うように歩いてきたことは、バイクから歩行者の発見を遅らせる原因になった点。

渋滞で止まっている車の陰から、いるはずのない歩行者がバイク専用車線に突然飛び出してきた事故であっても、車両側の過失は消えず、速度超過など落ち度がないにも関わらず、30%もの過失が残ることになりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA