客を見つけて急ブレーキをかけたタクシーに追突したバイクとの過失割合について

急ブレーキをかけたタクシーと追突したバイクの過失割合

判例になります。(京都地裁平成17年6月30日判決〈控訴中〉、自動車保険ジャーナル1614号15頁)。

同じ車線の右寄りを走行していたタクシーが、前方の歩道上に客を見つけたことから、車線の左に寄りながら急ブレーキをかけるような停車をしたため、9m後方を走行していたバイクが止まり切れずにタクシーに追突したという内容の交通事故です。

京都地裁の判決は、タクシーの過失 60 : バイク 40 となりましたが、タクシー会社はこれを不服として控訴

ポイントは、タクシーの急制動を予見せず、適切な車間距離を保持しなかった自動二輪車にも40%の過失が認められたケースです。

事故の内容

バイクは後部席に子供(8)を乗せて、片側二車線の幹線道路の第一車線を走行していました。

タクシーは、バイクと同じ車線の右寄りを時速50kmから60kmの間で走行していましたが、約19m先の歩道上にタクシー待ちの客を発見したので、ブレーキをかけながら歩道側に寄って停車しました。

バイクは、このタクシーの約9m後方を走行していたことから、停止しきれず、そのままタクシーに衝突したという事故です。

バイクの運転手は、タクシー会社に損害賠償を求めて訴えを提起したところ、タクシー会社もタクシーの運転手の慰謝料及びタクシーの修理費用などを求めて、バイクの運転手に対して反訴を提起しました。

 

京都地方裁判所の判決

裁判所のバイクとタクシーの過失割合については以下の判断をしました。

バイクの過失について

適切な車間距離を保持して走行する義務は、交通事故を防ぐ上でかなり重要な注意義務であるから、これを怠ったバイクの過失は重い。

しかし国道という大きい幹線道路では車両の流れに従ってある程度車間距離を詰めて走行してしまうのもやむを得ない面もある。

タクシーの過失について

道路左側を走行するバイクがいる状況の中で、急制動をかけてタクシーを車線左側に寄せてるのは、通常の停車に比べて事故発生の危険性の高い行為である。

その場合には通常の場合以上に周囲の安全確認を十分に尽くす必要がある。

結論

過失割合はタクシーの方が重く、裁判所はバイク40:タクシー60の過失割合と判断しました。

基本的な過失割合は、四輪車の急制動したことにより、止まり切れずに二輪車が四輪車に衝突したと事故では、二輪車60:四輪車40となります。

しかし走行車線が幹線道路であった場合には車間距離を詰めて走行するのもやむを得ないため、二輪車45:四輪車55の過失割合が認められることになっています。(全訂四版・別冊判例タイムズ第16号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」252頁)

幹線道路での急ブレーキをかけた四輪車に、二輪車がぶつかった交通事故では、ほぼ五分五分か4輪車の方が少し悪いと京都地裁では判断しています。

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