駐車場での事故の過失割合

駐車場での事故の過失割合

駐車場内の交通事故は、事故全体の件数の3割を占めるほど非常に多く発生するものです。

駐車場内での事故の中には私有地内での事故とされ、道路交通法は適用されないという考え方があり、この場合には判例タイムズなどを利用することができません。

しかし、大型の立体駐車場など不特定多数の車が頻繁に利用するような大きな駐車場では、道路交通法が適用されます。

駐車場での事故の場合には、駐車場の規模などにより、良いとこ取りの都合の良い解釈を主張してくることがありますので注意が必要です。

 

駐車場の道路での接触事故

駐車場内での道路上の車同士の事故の基本過失割合は50:50と 同一になります。

駐車場内での出会い頭の衝突事故の場合には、双方に注意義務があると考えられているため、過失割合は50:50からスタートするのが基本になります。

調整項目

道路の幅員が広い方が優先になり、広路にいる側の過失が▲10%、道路の形状がT字路の場合には直進側が優先で過失割合▲10%の調整を受けます。

一時停止標識がある方、逆走などをしていると+15~20%の過失が加算されます。その他駐車場内のどの位置にいてもスピード超過、わき見運転などの過失がある場合には10~20%の調整が入ります。

駐車場区画から出る際の接触事故

駐車区域(白い線で囲まれた駐車スペース)から道路に出る際に接触事故を起こしてしまった場合の過失割合は、

区画から出る車両(黄色) 70 : 道路を走行していた車両(白) 30

東京高裁で平成11年3月31日の判例

A車がマンション地下駐車場の中央通路で後方確認をしながらバックしてきたところ、いったん自己の駐車スペースに入ったBが切り返しで入れ直そうと突然通路に出てきたために衝突した事故があったのです。この事故に対して東京高裁は過失割合をA:B=30:70としました。

 

※スピード超過やわき見運転などの過失がある場合には10~20%の調整が加わります。

 

駐車区画に入庫させるときの事故

2台の車が駐車場内の道路にあって、1台の車が駐車スペースに入庫させる際に起こした接触事故

入庫しようとしていた車両(白) 20 : 後ろにいた車両(黄色) 80

 

※スピード超過やわき見運転などの過失がある場合には10~20%の調整が加わります。

前にいた車が突然バックしてきて、止まっている自分の車に接触事故を起こすことが多いのですが、通常の道路のように止まっている側の過失割合がゼロにならない事もあります。

これは駐車スペースがある場合には、入庫するのに前の車がバックしてくる可能性が十分あることや、クラクションを鳴らし、注意喚起していなければ、見えずらい後方の車にも過失があると考えられているためゼロを主張するには難しいためです。

速度超過などの修正は、ドライブレコーダーなど証明できるものがなければ平行線になる可能性があります。

 

相手が一歩も譲らないのは悪くないと勘違いしている

後にいた車が止まっていた場合には、一般道の感覚で動いて側の100%過失を請求するものですが、駐車場では取り扱いが大きく変わるため、示談交渉が非常に難航するケースになります。

警察を呼び事故届した後は、保険会社に委ねる事になりますが、結果に納得できない方は非常に多いようです。

またやっかいな事にバックした側が100%過失や90%を簡単に認めてしまっている事例も多く、一歩も譲らないと言い張る方は非常に多いです。

なお、平行線になると、相手側は裁判に持ち込むと言い出す方も多いのですが、受ける方が得策です。

この場合駐車場での事故なので基本過失割合は50-50でスタートしていく事になりますが、まず100-0になることはありえません。

また弁護士や裁判所に言われるのは説得力があるので、早期解決が図れます。

裁判をあまり大げさなものと捉えずに、裁判所を通じて和解する方法もあるので、自分の保険会社にその旨を相談するのもありだと思います。

こじれた場合には、相手に届きやすい裁判所の言葉を利用するのも手です。

 

裁判になったら、どんな準備が必要?

保険会社に相談して指示に従うことになります。通常は訴訟を避けるため、調査会社を利用するなどの動きも保険会社は並行して取ってくれるものとは思います。

弁護士特約が付加されているのでしたら保険会社に相談して利用するのが良いです。

ご本人で訴訟に対応する場合には必要な書類は以下のようになります。

  • 交通事故証明書
  • 現場図面
  • 現場写真
  • 損傷車両の写真
  • 事故発生までの経緯などを詳細に記した書類

訴状が届けば内容を確認して、答弁書と準備書面を作成することになります。

裁判所への訴訟費用は通常相手側が立替えて行われますが、訴状に「費用は被告負担」などの記載がなければ過失割合に応じ負担することになります。

相手側の弁護士費用については負担させられる事はありません。

裁判所も通常認めません。

加入している保険に弁護士特約が付加されていれば保険会社が負担します。

 

まとめ

駐車場事故の場合には、わずらわしさをお金で解決してしまう人も多いです。
正しい過失割合いを認めさせても、経済的な利益はあまりないことから、お互いがお互いの車を修理して終わる事にするという結末も結構あります。

自動車保険は対人・対物・車両保険を利用しない限りは、弁護士費用などの保険金の支払いを受けても等級が上がる事はありません。

普段、お世話になることが少ない自動車保険なので、困りやすい駐車場の事故では、遠慮なく相談してから最終的な判断をしていいと思います。

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