高速道路のETCレーンの交通事故による過失割合~判例

高速道路のETCレーンでの交通事故について

一般道路での事故と同様に取り扱う考え方が主流

ETCレーンで料金決済をするための走行をしていたところ、なんらかの事情によりゲートが上がらず、慌てて止まったところ、後続車が追突してくるという事故があります。

このETCレーンでの交通事故の過失割合は基準化されてはいませんが裁判所での判例では、一般道における追突事故と同じように考えられることが多いようです。

高速道路では基本的に停車することは認められず、交通事故が起きた場合には、先に停車していた車に過失があるという考え方が多いのですが、ETCレーンではゲートが開かない可能性は十分考慮できるものであり、高速道路独自の考え方はあまり適用されていないのが判例の傾向です。

そのため一般道路と同じ考え方であれば追突車に100%の過失を認める場合が 多くなるのですが、まだまだ判断にグレーゾーンは多く、事故事情により、異なる判断がされる可能性が十分にあります。

 

判例紹介

東京地裁平成18年8月9日判決

中央高速道路三鷹料金所で、A車がETCレーン付近でどのゲートをくぐればいいのか混乱した車両がアクセルもブレーキも踏まないまま時速10km/h程度の速度で少し前進し、停止するかしないかというとき、後続のB車に追突された事案。

B車には、減速不十分、車間距離不保持、前方不注視の過失があるとされた。

A車にも料金所エリア内とはいえ、停止寸前の速度で後方車両の進行を妨げた過失がある。

いったん定めた進路を急に変更し、停止寸前の速度にまで至る場合には、後方を走行する車両の安全を確認し、右左折又はハザードなどの合図をし、追突を回避する義務があるなどとして、A車にも30%の過失があるとしました。

(過失割合A:B=30:70)

(自動車保険ジャーナル1720号 12頁)より引用

 

横浜地裁平成19年9月28日判決

常磐高速道路三郷料金所ETCレーン内でA車が閉棒が開かないために急ブレーキを掛けたところB車が追突した事案

ETCシステム利用規程8条1項に、「ETC車線内は徐行して通行すること」「前車が停止することがあるので必要な車間距離を保持すること」とされており、また、ETCシステム利用規則実施細則4条に、「ETC車線内で前車が停止した場合、開閉棒が開かないもしくは閉じる場合その他通行するに当たり安全が確保できない事象が生じた場合であっても、前車又は開閉棒その他設備に衝突しないよう安全に停止することができるような速度で通行」すべきことが定められているとして、A車が徐行していた場合はもちろん、仮に開閉棒が開かないため、A車が急ブレーキを掛けたとしても、これに追突することは上記規程・細則に違反するB車の一方的過失であるとして、A車の過失を否定しました。

(過失割合 A:B=0:100)

(自動車保険ジャーナル1722号 18頁)より引用

 

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