交通事故の全損と諸費用の請求について

保険会社がいう全損の意味について

自動車が全損になる場合には【物理的全損】と【経済的全損】があります。

【物理的全損】とは、車が交通事故などで壊れてしまったが、年式が古い車などで部品等の入手ができずに修理が不可能になってしまうような場合を指します。

また【経済的全損】とは、修理が可能であるものの、修理代が莫大にかかるため、その車の時価を大きく超えてしまう場合などを指します。

保険会社が全損という言葉を使うときには、多くの場合に経済的全損を指していて、自動車の時価が低すぎて修理代の全額を支払えないことを言います。

車の修理代の見積もりは、保険会社のアジャスターという修理にとても詳しい方が査定しますが、全損のときは、アジャスターから修理するのか、しないで保険金をもらって終わるのか対応を相談されます。

全損の基準となる時価について

オートガイド社出版のレッドブックという本があります。

レッドブックには車種、グレード、年式など市場に出回っている中古車価格の平均を記載した内容の本で、毎月発行されるこの本を見れば中古車の事故がだいたい把握することが可能になっています。

しかし、このレッドブックに記載されている時価が絶対かというとそうでもなく、「走行距離が少ない」「車検を通したばかり」などの自動車の特殊事情も考慮されて時価は修正されていきます。逆に「走行距離が多い」といった場合には時価が下がることもあります。

また古い自動車の場合には、めちゃくちゃな価格がつくことがあります。

自動車の税務上の法定耐用年数は6年であるためか、6年たった車は価値があまりないと評価されており、極端に時価が下がることもあります。

この場合にはレッドブックでは、別な視点で時価額アップの交渉を行う必要があります。

全損案件はもめる傾向にあるため、保険会社も非常に緊張して身構えています。

言葉を丁寧に紳士的に対応すると実はかなり頑張ってくれることもあるので全損の時は強気姿勢で挑むより、丁寧な対応をした方が効果が出ることが多いです。

参考記事:全損になった車両の時価を高める裏技

全損時にもらえるお金について

自分の保険会社からもらえる保険金

車両保険

車両保険金の満額・・・車両保険の場合には時価に関係なく契約額の満額がもらえます。

全損保険金 ・・・全損臨時費用、全損時諸費用

新車特約   ・・・特約に加入していれば新車購入代金が支払われます

全損超過修理特約・・・修理することが前提ですが車両保険金額に最大50万円まで上乗せで修理代を支払ってもらえます。

相手の保険会社からもらえる保険金

対物賠償責任保険・・・時価額を上限(過失負担分まで)が支払われます。

全損超過修理特約・・・修理することが前提ですが時価額(過失負担分まで)に最大50万円まで上乗せで修理代を支払ってもらえます。

 

その他もらえるもの

自賠責保険の未経過保険料部分・・・自動車を廃車にすると自賠責保険の保険料が戻ってきます。

よくゴネられるお金

車の買い替え時諸費用については、保険会社は支払いをゴネてきます。

諸費用の支払については一度は難しいといいますが、きちんと説明する事で結果的には支払ってもらえるものになります。

保険会社の説得には判例が出ていることを説明すると良いと思います。

東京地方裁判所 平成16年4月22日判決 公民集37巻2号519頁

経済的全損か否かを判断するにあたって修理費用と比較すべきものは、被害者車両の時価額だけでなく、買替諸費用を含めた全損害額とすべき。

裁判所が認める諸費用の具体例について

内容は以下のとおりです。

  • 車検登録法定費用
  • 車庫証明法定費用
  • 車検手続代行費用
  • 自動車取得税
  • 自動車重量税
  • 納車代
  • 消費税など

裁判所に認められなかった諸費用について

還付請求が可能で戻ってくるものについては諸費用として認められません。

  • 自動車税
  • 自賠責保険料
  • 自動車保険料

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