ひき逃げ事故に気づかなかった場合の罰則や取り扱いについて

ひき逃げに気づかなかった交通事故

ひき逃げ事故とは、人に怪我を負わせる人身事故を起こし、適切な対応を取らずに事故現場から離れてしまうことです。

人身事故は歩行者を直接はねた場合だけではなく、自動車同士の事故でも、相手の同乗者にケガを負わせた場合も該当し、”当て逃げ事故”のつもりが”ひき逃げ事故”になることもあります。

人をはねたことに気づかなかった場合には”ひき逃げ”にならない事もある。

ひき逃げ事故を起こした人が、『人とは思わなかった。』と口にするのを良く聞きます。

実は、気づいていない場合には、ひき逃げ事故として扱われないことがあるためです。

 

千葉地裁 2017年9月15日判決公判

楡井英夫裁判長は「人をひいたという認識はなかった」などとして無罪(求刑・懲役2年)を言い渡した。

2014年1月15日午前1時10分ごろ、千葉県長生村宮城の路上に倒れていた千葉市消防局の男性(当時29)を、長生村の職員が乗用車で”ひき逃げした事故”について、「人をひいたとの認識があったかどうか」が道交法違反事件の公判での争点となりました。

弁護側は「被害者はアスファルトと同化する黒色の着衣で、マンホールのふたの影にしか見えなかった」とし、人をひいたとの認識はなく、救護義務も報告義務も生じないとして無罪を主張していた。

楡井英夫裁判長は「男性をひいた後続車両の運転者5人中、衝突までに人かもしれないと認識したのは2人で視認条件は悪かった」とした上で、職員の認識について「車体の下から相当強い衝撃を体感したことに加え、何も見えなかったという認識を考慮しても、人かもしれないと認識したとは認められない」。

事故後、職員が消防・救急に関する情報を調べていたことについても「人をひいた可能性に思いが至り、念のため確認しようとした」とし、「いずれも故意を認めるには合理的疑いが残る。犯罪の証明がなく無罪」と述べた。

判決後、楡井裁判長は「今回は刑事責任を問えないが、別件では過失により死亡させた罪が確定している。

相手の方々には誠意ある対応をしてください」と説諭した。

同事件で職員は2016年10月に、自動車運転過失致死罪で同地裁から罰金50万円の有罪判決を受け刑が確定している。

ひき逃げ事故の加害者が『人とは思わなかった』と言えばいいのか?

結論から言うと個人的には言うべきではないと思います。

これは多くの場合、あまり良い結果にならないし、被害者感情を逆なですることが多いからです。

ひき逃げ犯が被害者本人やその親族を怒らせてしまった場合には、示談の成立が難しくなるだけでなく、親告罪(被害者が訴えて初めて成立する罪)で訴えられる事で、新たな罪を生み出す原因にもなりかねません。

逆に誠実に対応し、被害者と和解ができていて、損害賠償などをきちんと支払っている場合には、不起訴となったり、判決が軽くなったりする傾向にあります。

 

2017年9月 大阪高裁判決

大阪府豊中市の飲食業の男性被告(47)は、2016年6月に大阪市淀川区で車を飲酒運転してパトカーから逃げ、交差点に猛スピードで進入し、タクシーと衝突して運転手(当時68)を死亡させ、逃走するひき逃げ事故を起こし、さらに知人を警察に出頭させました。

2017年3月の裁判員裁判で、大阪地裁は懲役7年を言い渡していましたが、2審の大阪高裁は、謝罪の姿勢を示す被告に遺族から嘆願書が出されたことも考慮し、1審判決を破棄し、懲役6年6ヵ月に減刑する判決を言い渡しました。

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