後遺症としては非該当と判断され、保険金が不払いになった場合には、担当者の不正行為が原因の事もある。

保険金の支払い拒否

保険会社から損害賠償の保険金が支払われない場合には、保険会社の担当者が不正行為している事もあります。

示談交渉がうまく、保険金の支払いを少なくした担当者は、保険会社から評価され、給与に影響するため、保険会社の担当者の中には悪いことをしてしまう人もいるようです。

損害賠償請求に不慣れな被害者を騙す、悪質な行為がないとは言い切れないため、大きな交通事故については基本的に交通事故に詳しい弁護士を通じて対応することが良いと感じられます。

ここでは、過去に実際に起きた保険会社の担当者が書類を偽造し、多額の保険金を支払わなった事件についてご紹介します。

事件の概要について

2017年5月に佐賀県佐賀市にある東京海上日動火災保険の佐賀損害サービス課の担当者が、交通事故の後遺障害を訴えた被害者に対して、病院から取り寄せていない画像の所見などを並べ「後遺障害には該当しない」と結論づけ、「該当しない」とする文書を偽造して渡していた事が発覚する事件がありました。

同社は偽造だと認め「担当者が手続きを怠っていたため」と説明しているが、不正行為についてチェックする機能が働いておらず、他にも同じような事案があるとして、同社が調べているという事です。

引用元:朝日新聞デジタル『交通事故被害者に偽造文書 保険会社の担当、手続き怠る』

内容について

佐賀県佐賀県神埼市で、2014年9月26日、鳥栖市の男性の乗っていた車に対向車線にはみ出してきた車が衝突する交通事故がありました。

この事故で男性は治療を受けましたが、首や腰の痛みや両手のしびれが残る後遺症が残ってしまいました。

2015年8月、後遺障害診断書を医師に書いてもらい、弁護士を通じ、相手の任意保険会社、東京海上日動に後遺障害の手続きを依頼しましたが、4カ月ほど経っても決定が出ず、担当者は「調査に時間がかかっている」と回答していました。

そして2016年4月になって、外部の調査機関により、後遺障害としては非該当と判断されたという文書が届いたという事です。

疑問に思った男性が問い合わせを続けたところ、2017年4月になって、後遺障害の認定手続きをしていなかったことが判明しました。

同社によると、担当者が病院から取り寄せてもいない画像について所見を詳しく述べるなど、うその判断理由をA4判1枚半にわたって記載し、偽造していたという事でした。

男性は、後遺障害に該当しないことを不服として異議申立書も出したが、この担当者は申立書や後遺障害診断書を持ち帰り、ゴミと一緒に捨てていた。

同社の調べに「整理した時、誤って捨てた」と話し、後遺障害については「忙しくて手続きを忘れていた」と説明したという。

調査したところ、他にも同じような事案があり、詳しく調べている。

同社広報部は「お客様にご迷惑をおかけし、おわび申し上げます。適切に対応してまいります」としている。

この事件の考察

弁護士を利用しないと損害賠償額は、適正といわれる”裁判所基準”と呼ばれる過去の判例等から決まった金額ではなく、これよりはるかに少ない金額で示談交渉が進みます。

保険会社は、保険料の高騰を抑えるために被害者と交渉し、少しでも保険金の支払いを抑えようとするためです。

損害賠償金額は、裁判所基準と保険会社基準では、4倍から10倍金額が違う事が普通です。

被害者が単独で示談交渉している限り、保険会社基準から判断のステージが変わることがありませんが、弁護士が交渉を開始すると例え裁判をしなかった場合でも、損害賠償請求の算定基準は裁判所基準にステージが切り替わります。

この仕組みにより被害者は弁護士を利用しても、その費用は簡単に捻出され、被害者は適正な金額で交渉することができます。

今回、ご紹介した事件のように、弁護士が介入してても保険会社の担当者の中には、”書類を偽造するなど”の不正行為をするくらいなので、騙されて示談を受け入れた被害者も少なくないと思われます。

被害者が本来、受け取るべき保険金が削られて、保険金を支払わない交渉をした担当相に報奨金が支払われるシステムは、例え保険料が安くなるためという場合であっても、保険会社から支払われるお金の行き先としては、私はちょっと複雑な気持ちになります。

大手の保険会社の場合には、公務員のように公平で適切な印象を持ってしまいますが、民間企業である以上、利害関係は必ずあるということです。

オカシイなと思ったら、自分が加入している保険会社に相談してみることが良いと思います。

 

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