自動車保険保険金支払拒否事例 他車運転特約の保険金不払い事件について

2017年2月22日の産経新聞のニュースで、他車運転特約を巡り、保険金の支払い拒否事例が紹介されていたため、ご紹介します。

高等裁判所まで進めていますが、保険金の支払い拒否は続いたままのようです。

今回の不払い事件の内容についての記事

『「そんなんインチキやん!」人から車借りて事故 使えなかった「他車運転特約」のナゾ』

事故の内容について

以下、登場事物の名前はすべて仮名です。保険内容のポイントをあげると以下のようになっています。

  1. 吉岡さんは、友人の田中さんから、臨時で自動車を借りて運転中に交通事故を起こして、田中さんの車を全損状態にしてしまい、100万円の損害賠償請求を受けた。
  2. 田中さんは、任意保険に加入していなかった。
  3. 吉岡さんは、自動車を所有しておらず当然、自分では自動車保険に加入していなかった。
  4. 吉岡さんの父親が加入している自動車保険には、他車運転特約がついていた。
  5. 吉岡さんと父は同居していた。

他車運転特約の目的

借りた車を運転中に事故を起こしてしまった場合に、ご契約の自動車の契約内容に従い、ご自分の保険から優先して保険金が支払われます。

人の車をちょっと借りて、運転しているときに起こした事故で借りた方の保険を使って等級をあげてしまっては、その後の保険料増額を負担させてしまうため、自分の保険から保険金を支払い、その後の保険料増額を負担を自分が受ける事にする目的で利用されることが多いです。

参考:自動車保険の他車運転危険担保特約とは

 

ただし、他車運転特約で支払いをするためには、以下の条件があります。

1.事故を起こした車が、自家用8車種の自動車であることが保険金支払いの条件になります。

(レンタカーや会社の車をプライベートで使用している場合でも他車運転特約を使えます。)

2.所有または主に使用する自動車でないこと

3.借りたお車での事故は、ご契約のお車の保険でお支払いの対象となる事故で、かつ、走行中の事故であるときに限り補償の対象となります。

(駐車、停車中は対象外です。「停車」には、信号待ちや踏切での列車待ちは含みません。)

今回の請求事件について

保険会社に借りた車を全損させたので、父の保険を使いたいという事に対して、保険会社の解答は、保険金は支払えないというものでした。

理由は、『請求する権利が吉岡さんにない。』というものでした。

わかりにくい約款を読み解くと、『田中さんなら請求できる』という事が書かれていたようです。

それなら、田中さんが請求すればいいのでないかという結論ですが、保険会社は事故を起こしたのは、本当は田中さんなのではないかと疑っているようです。

この事件についての考察

保険会社が保険金を支払わない理由は、裁判とは別な場所にある気がします。

保険会社は不自然な点があると保険金詐欺を疑います。

保険会社は、今回の事故が吉岡さんではなく、田中さんを疑う理由は、田中さんが自分で保険に加入していないことだと思います。

通常、臨時に人に貸す車であれば、普段その車を利用している人が自分で保険に加入するものですが、今回は主として車を使用している田中さんが任意保険に未加入であった点は、保険会社が疑うのが普通です。

保険会社は、請求者がどうのこうのいって時間をかけて、吉岡さんに請求行為を諦めさせようとしているように見えますが、本当の保険金を支払わない目的は次の二点のような気がします。

 

その1 『普段から吉岡さんが運転する車だったから、田中さんは任意保険に加入してなかったのではないか?』

実はたまたま借りたのではなく、本当は普段から吉岡さんが運転していた自動車だったのではないかという疑いです。

この場合には他車運転特約は利用できなくなります。

たまたま名義が前所有者の田中さんだったということではないかと疑われている可能性はあります。

その2『田中さんが起こした事故なのに、吉岡さんが父の保険を利用としているのではないか?』

記事にも少しだけ、書かれていましたが本当は田中さんが起こした事故だったけど、吉岡さんが事故を起こした事にして全損として保険金を請求しようとしているのではないか?

 

まとめ

裁判では2審まで、なぜ”吉岡さんが請求できないんだ”という論点で裁判が進んでいますが、保険会社から論点をずらされている印象を受けます。

”田中さんが請求しているのに、なぜ保険金が出せないんだ”という論点にしないと時間とお金を浪費してしまうと思います。

ただし、田中さんが請求すると前述の疑いで争うことになる可能性もあります。

他車運転特約でもめるケースは珍しいのですが、少し変わった事があると保険会社は保険金詐欺を疑ってきますので、不自然な形の場合には保険金の支払いをめぐり、こうしたトラブルが起こります。

以上、ニュースを見ての感想と保険金支払い拒否事例のご紹介でした。

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